Is the order Pablo Honey?
And if the world does turn, and if London burns
I'll be standing on the beach with my guitar
I wanna be in a band when I get to heaven
Anyone can play guitar and they won't be a nothing anymore
Radiohead - Anyone Can Play Guitar
ごちうさ1期1羽、超凝った大作を作るようになった国民的バンドが拙くも瑞々しいデビューアルバムをリリースしていた頃の曲を聞くような不思議な感覚が去来する
— 光茶藻中 (@Matcha1919) 2020年11月3日
「ごちうさ」こと「ご注文はうさぎですか?」といえば、今や萌豚界で知らぬ者のいない作品である。現在も3期が放送され、その展開が話題を呼んでいる。私も毎週実況しながら見ている(ラピスリライツと同じ枠ということもある)。この現状を踏まえて1期を見直すと、確かに上述の感想も納得できるものがある。
「拙くも瑞々しいデビューアルバムをリリースしていた超凝った大作を作るようになった国民的バンド」の例はいくつかあるだろうが、私はレディオヘッドを想起した。今では半分伝説となってしまった彼らだが、デビューアルバムの「Pablo Honey」はまさに「拙くも瑞々しい」一枚となっている。後ろ向きではあるものの外に向いた歌詞が真っ直ぐな歌とトリプルギターと力強いベース/ドラムによって届けられる、まさにロック・アルバムだ。現在の何言ってるかわからない歌と何が鳴ってるのかわからない音像とは大違いである(それはそれで好きだが)。
この「Pablo Honey」であるが、「Creep」の評価は高かったもののアルバム全体としての評価は芳しくなく、すぐにチャートと人々の記憶から姿を消すことになった。その後彼らは「The Bends」「OK Computer」などの世界的名盤を生み出し不動の地位を築いていくことになる。今回、この記事を書くために「Pablo Honey」を再聴してみたのだが、何故評価が低いのかわからなかった。わかりやすいリズムとメロディーで聴きやすいし、トム・ヨークも裏声をさほど使っていないがこれはこれで格好良いと感じた。しかし、これは私の中に「これはレディオヘッドのデビューアルバムだ」という意識があるからだろう。これが無名のバンドの作品だったら、私も1993年の人々のように大した反応を示さない可能性はある。これはごちうさも同様で、もしヒットしていなかったら「うーん?」となる表現はいくつもある。未来によって過去(の認識)が変わる事例だ。3期の出来が良いことによって1期の見方が変わる。私も作品を見ながら「積み重ねなんだよな…」と毎週思っている。
「Pablo Honey」には「Creep」以外にも「Anyone Can Play Guitar」や「Blow Out」など名曲が入っているので、聴いてみてほしい。ちなみに私が好きなレディオヘッドのアルバムは「In Rainbows」である。好きなごちうさのキャラはシャロだ。