KnowRun

VARIATIONS

SuperCub

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I want your superlove

I wanna be inside your superlove

I need the spirit with the sexual

I wanna be inside your superlove

現在大好評放送中の「スーパーカブ」は非常に面白いアニメだ。といっても、わかりやすい面白さがあるわけではない。3人殺したカブを破格で売るバイク屋の親父や過剰に”奪われている”主人公など攻めた設定はあるものの、(4話の時点で)基本的にはカブに乗って山梨を走り回っているだけである。もっといえば高校生なので学校の往復がメインになる。演出も驚くほど静かだ。わかりやすい起伏がないのに面白いと感じる、ことを面白いと感じる。

僕は森博嗣スカイ・クロラ」にこの作品との相似と差異を見出した。「スカイ・クロラ」では少年少女(”キルドレ”と呼称される)が戦闘機に乗ってショーとしての戦争を戦う日々を送るが、そうでないとき、つまり平時の主人公はスクーターに乗って移動している。スクーターに乗り、ミートパイを食べ、ボウリングを行い、女を買うわけだが、まったく楽しそうではない。ゴーグルを買うだけで得意気になる小熊ちゃんとは大違いである。

キルドレは地上で起こっていることに興味を持たず、ただ空を飛ぶことだけに執心している。戦闘機で自由に空を飛び、空で殺されることを願っている。飛んでいる間だけは、あらゆるものから自由になれるのだという切実な想いが、彼らを空へ向かわせる。カブに乗っているときだけ世界に色がつく小熊さんとの共通点といえるかもしれない。

その「スカイ・クロラ」の終盤にこんなモノローグがある。

少なくとも、昨日と今日は違う。
今日と明日も、きっと違うだろう。
いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。
いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。
それだけでは、いけないのか?
それだけでは、不満か?
それとも、それだけのことだから、いけないのか。
それだけのこと。
それだけのことなのに……

押井守によってスカイ・クロラは映画化されたが、非常に渋い評価となっている(実は私もそうだ)。それはこの作品が「日常系」だというギミックに誰も気付けなかったからだ、という考察がある。ずっと空を飛び続けられるわけではない、だから「地に足を着けて」生きなければならない……という力強くネガティブなメッセージがあったのかもしれないが、それを伝えたかった人には届かなかったのだろう。

スーパーカブでは、常に地に足が着いている。もしかしたら今後小熊ちゃんが空を飛ぶことがあるかもしれないが(礼子なら飛びかねない)、そうだとしても日々の生活から彼女の物語が乖離することはないだろう。小熊は生活(通学)に必要だから、という理由でカブを購入しているので当然ともいえるが、だからこそ物語に説得力がある。自分の生活が少しずつアップデートされていく達成感は誰しも感じたことがあるはずだからだ。このあたりは「キャンプのために原付を購入した」彼女と大きく違う(優劣ではない)。

スーパーカブゆるキャン△とともに確実に日常系をアップデートした。本作品が今後どう展開(?)されるのかは不明だが、ゆっくり彼女たちの続きを見守っていきたい。

 

追記(2021/5/16):その後、5話では礼子による富士山アタックが行われ、6話では小熊が修学旅行にカブで現れた上に礼子と2人乗り(免許の取得日から考えて違法である)をするなど、前述の(「地に足のついた、静かな」)内容と反するテイストになっている。やはりアニメは未だにわからないな……と反省することしきりである。

 

追記(2021/5/29):現在、本作品はその外側でも内側でも大炎上中である。外側には興味がない(関係者に恵まれない作品だと思う)が、作品内で違法行為を行う/ローカルルールやマナーを守らないということに関しては書く必要があるだろう。

僕の見解では、カブに乗ることが手段か目的かというところに尽きると思う。小熊さんはカブに乗ることが「目的」であり、友人との出会いはその副作用に過ぎない(現時点で大切な存在かどうかは関係がない)。だとすれば、その目的に対して社会が設定したルールを守らないというのは愛するカブに対して不誠実ではないだろうか。そういった点で、彼女がルールを破った(前段階で先生の忠告も無視した)ことは残念といえる。

現時点(8話まで放送)でスーパーカブには3人の主要人物が登場するが、3人とも若干社会性が欠如している(礼子はマシな方であるが、あくまで「マシ」である。恵庭椎ちゃんは体制側といえるが敵を作りやすいタイプだ)。彼女たちがシステムにささやかな抵抗を試みる方法としてタイヤが二つ付いた乗り物があるわけだが、ルールを破った時点で戦いは正当性を失う。彼女たちがどこまで正しく乗れる/生きられるかが本作品の分水嶺になるだろう。

見ることについて語るときに僕の語ること

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ぼくが本格的に映画を見始めるようになったきっかけの作品が『ユージュアル・サスペクツ』。見た理由はもちろんアニメゆゆ式第5話で日向縁ちゃんが『ユージュアル・サスペクツ』の話をしてたから。フッと消えちゃうやつ。

それまでは映画といえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ダイ・ハード』ぐらいしか見てこなかったんだけど、これを見て「映画って面白い!」ってなった。

「偶然見たゆゆ式をきっかけに映画をたくさん見るようになった」という流れが美しかったので、自分もそういうエピソードがあればな〜と思い記憶を辿ったが特になかった。ただ、映画と深夜アニメの違いについて自分がどう認識しているのかを考える機会になったので、それを書いていこうと思う。

映画(劇場で見るアニメを含む)を見るときは常にそのままの面白さを期待して見る。それは捻られたプロットであるとか、センスに溢れた撮り方であるとか、卓越した演技であるとか、シーンを形作る劇伴であるとか、そういった素直な面白さである。期待したもの、期待した以上のものが見たいと思って映画を見る。

深夜アニメの楽しみ方はもう少し広いといえる。アニメコインという概念があるように、ギャンブルが成り立つほど深夜アニメの面白さは予測できない。絶対面白くなるだろうと思われていた作品が不発に終わったり、誰もが期待していなかった作品が(個人の中で)大化けするといった事象が頻繁に起こる。

「今朝私は、消滅していたかもしれない街の電車に乗ったわ。あなたが救った街の。

死んでいたかもしれない男から切符を買った。あなたが救った人よ。

仕事に必要な研究資料を読んだわ。あなたがその基礎を築いたのよ。

あなたが普通を望んでも、私は絶対にお断り。あなたが普通じゃないから、世界はこんなにすばらしい」

「本当にそう思うかい?」

「わたしはこう思う。『時として誰も想像しないような人物が、想像できないような偉業を成し遂げる』のよ」

深夜アニメを長年見ていても、どの作品が面白くなるのかはわからない。チョコレートの箱と同じだ。もっといえば、評価がある程度固まったあとでも「なぜそれが面白かったのか」を具体的に説明することが難しいように感じる。かなりの曖昧さを内包できる強さが深夜アニメにはある、と言い換えることもできる。

「ネコぱら」がいい例である。

僕は本作品が好きだ(ああ、もちろん「ブレードランナー2049」も)が、視聴中毎週のように「俺は何を見せられているんだ……?」と呟いていた。しかし、見終えてみると「ああ、見てよかったな」と感じる。これは終盤で評価値が逆転する現象とも違う。確実に積み重ねがあるのだが、どの部分に積み重ねがあるのかもよくわからない。2020年の「深夜アニメの」ベストに本作品を挙げるが、作品としての完成度は「GREAT PRETENDER」のほうが当然上だろう。ダークホース感というか、そういったものに価値を感じるのかもしれない。 

映画も深夜アニメも見る本数が少なくなっている(これは作品がつまらなくなっているのではなく僕がつまらなくなっているからだ)が、時折自分とその周辺を再解釈することで視点を変えていければと思う。今期でいうと「スーパーカブ」は非常に深夜アニメ的で、起伏はないが確実に積み重ねがあって見ていて心地が良い。まるで初期のコールドプレイのようだ(ドビュッシーって言えよ)。

ちなみに本当に一番最初に見たアニメは変態王子と笑わない猫だったんだけどそれは内緒にしてる。ファルーク・バルサラという出生名を隠してたフレディ・マーキュリーの気持ちが俺にはよくわかる。

2010年代深夜アニメ各年ベスト10

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下記の企画の深夜アニメ版である。

2010 四畳半神話大系
2011 Fate/Zero
2012 PSYCHO-PASS
2013 ワルキューレロマンツェ
2014 ピンポン
2015 すべてがFになる
2016 アクティヴレイド
2017 武装少女マキャヴェリズム
2018 こみっくがーるず
2019 まちカドまぞく

 

コメント:滑らかに萌豚になっている。

2021年冬アニメ

2021年の冬クールアニメをまとめる。

相変わらず距離感の取り方が上手いなと思った。水どう要素が強すぎた。

少なくとも、昨日と今日は違う。
今日と明日も、きっと違うだろう。
いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。
いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。
それだけでは、いけないのか?
それだけでは、不満か?
それとも、それだけのことだから、いけないのか。
それだけのこと。
それだけのことなのに……

古典の発掘も進めていきたい(とりあえず「電脳コイル」「ef」あたりをウォッチリストに入れた)。まあとりあえずはバキ翼が面白いんでそれで……。春アニメは「スーパーカブ」が気になっている。

2021年冬映画

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2021年1月から3月に見た映画をまとめる。

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

「相手の思考を楽観的に期待している状況……。これを、甘えている、というんだ。いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉で言いなさい。それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない」

 

春は「ブルックリン・ナイン-ナイン」のアンディ・サムバーグが出ている「パーム・スプリングス」に注目している。バキ翼も期待通りのスタートを切った。そのうち期待を超えてくれるだろう。結局ホワイトウルフってなんだったんだ?

2020年秋映画

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彼らは意識を持つようにならない限り決して反逆しないであろうし、また、反逆した後でなければ意識は持てないのである。

 

書き忘れていた。2020年10月から12月に見た映画をまとめる。

 

ワンダーウーマン1984

主人公(と彼)の存在があまりに正しすぎるが故に主張に説得力を欠くという珍しい映画だった。ファッションショーをする映画は名作。

 

アフターダーク

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「ここではチキンサラダしか食べない。決まってるんだ。僕に言わせてもらえれば、デニーズで食べる価値があるのはチキンサラダくらいだよ。メニューにあるものはおおかた試してみたけどさ。君はここでチキンサラダ食べたことある?」

ということで、ファミレスの思い出をまとめたいと思う。

  • ガスト

横浜駅西口店で夜を明かしたことがあるが、中学生くらいの男二人が隣でカードゲームをしていて驚愕したのを覚えている。モーニングの時間帯は客が少なく、静かな時間を過ごせて良い。

昔からお世話になっている。辛味チキンと小エビのサラダが美味しい。一人でも集団でも楽しめる。集団で行くときはピザを頼みがち。間違い探しは難しくて面白いが、回転率を下げている要因の一つだと思う。

藤沢北口店は青ブタの聖地であり、訪れたことがあるが雰囲気が良い。メニューは割高だが、モーニングなら安く食べられる。当時はパンケーキとアサイーボウルのセットがあった。ちなみに、チキンサラダは高いので食べたことがない(もっといえば、「アフターダーク」も途中までしか読んでいない)。

  • ジョイフル

ホームセンターではない。ハンバーグなどに定評があるが、チキン系統が強い。とり天定食やミックスグリル定食などをよく頼んでいた。僻地にあることが多いが、そのおかげで安い。例外の一つであった赤坂店はこの度閉店してしまった。閉店のお知らせを聞き、その前に行くことができたのは良かった。赤坂店が閉店してしまい、近場に行きやすいジョイフルがなくなってしまったのは痛手だ。

  • さわやか

噂のハンバーグ店である。大変ボリューミーで美味しかったが、旅程に組み込むと(その待ち時間から)旅のメインになってしまうのが悩ましい。かといって全国展開して潰れてしまうのも……。

 

ファミレスに限らないが、新規開拓というものが難しくなってきている。せっかくNetflixを契約しているのに同じ番組ばかり繰り返し見てしまうような……。まあ、これからはディズニープラスでしばらく楽しめそうだ。